⚾ 野球人生を終えたはずだったのに…
「大学生活は、思いっきり楽しもう!」
高校野球を引退し、僕はそう決めていた。
朝から晩まで練習漬けだった高校生活。
もうグラウンドに縛られるのはごめんだ、そう思っていた。
けれど、入学式の日に すべてが変わった。
「○○大学 軟式野球部!一緒にやらない?」
たまたま通りかかったサークル勧誘で、知り合いの先輩と再会。
流れで入部することになった。
「まぁ、軽く野球を楽しむのもアリか。」
最初はそんな軽い気持ちだった。
でも、この選択が 僕の最後の学生野球人生をつくることになる。
⚾ 人間関係の壁にぶち当たり…
入部してからは、久しぶりの野球が楽しくて仕方なかった。
だけど、次第に 人間関係がうまくいかなくなる。
チームメイトとの距離感。
先輩後輩の微妙な空気。
「なんか、馴染めない…」
気づけば、練習に行かなくなっていた。
その代わりに 草野球チームに参加しはじめる。
そこには気楽な空気があり、「楽しく野球をやれればいいや」と思っていた。
でも、本当にこれでいいのか?
⚾ 1年生の熱意が僕を変えた
大学3年の春休み。
チームに、新しい1年生が入ってきた。
彼らは 「本気で野球をやりたい!」 という熱意を持っていた。
彼らの姿を見て、ふと思った。
「俺、こんな中途半端な感じでいいのか?」
「また、ちゃんと野球をやりたい。」
この気持ちが抑えられなくなった。
そして決断する。
- 学科の実習を蹴ってでも、最後の学生野球人生にすべてを注ぐ!
- 目標を決める。「チームを勝たせるために長打を打てるバッターになる!」
こうして、僕の 本気の野球生活 が再び始まった。
⚾ 野球を学ぶことが、こんなに楽しいなんて!
それからの僕は、とにかく 打撃フォームの研究 に没頭した。
- プロのスイングを動画で研究
- 書籍を買い漁って技術を学ぶ
- どうすれば体を使って強い打球を打てるのか考える
バイトをしながら、友達と遊びながら、就活をしながらも、頭の中は野球のことでいっぱいだった。
こんなに野球を「学ぶこと」が楽しいなんて、今まで知らなかった。
この時期が 今までの野球人生で一番充実していた。
⚾ 迎えた最後の大会、そして…
そして迎えた最後の大会。
チームは勝ち進み、あと2勝で上の大会出場というところまで来た。
でも、惜しくも敗退。
「結局、目標は達成できなかった。」
「チームを勝たせることはできなかった。」
それでも、不思議と後悔はなかった。
「やれることは、すべてやった。」
試合には負けたけど、野球人生の中で一番の達成感を感じていた。
⚾ なぜ、目標を達成できなかったのに満足感があったのか?
普通、目標を達成できなかったら悔しいはず。
それなのに、僕は満ち足りた気持ちだった。
なぜなのか?
実は、この現象は 心理学で説明できる。
- 「自己効力感(Self-efficacy)」 → 「自分が努力した」という実感が満足感を生む
- 「プロセスの充実感(Satisfaction from the process)」 → 結果よりも、成長や学びの過程に満足感を見出せる。
- 「内発的動機(Intrinsic motivation)」 → 「勝つため」ではなく、「純粋に野球を学ぶことが楽しかった」
つまり、目標を達成したかどうかより、「本気で挑戦した過程」が満足感を生んでいたのだ。
⚾ まとめ
- 目標を達成できなくても、「努力した実感」があれば満足感は得られる。
- 大事なのは、「本気で挑戦すること」そのもの。
- 成功とは、「結果」ではなく、「どれだけ全力で向き合えたか」。
最後の学生野球人生で、僕はこのことを学んだ。
そして、それは今、草野球を続ける自分にも活きている。
目標を達成できなくても、挑戦し続けること自体に価値がある。
だから、僕は今日も野球を続けている。
最後まで読んでくれて、ありがとう! 😊
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